詩篇107-109 ; Ⅰコリント4

詩篇

第107篇

107:1「主に感謝せよ、主は恵みふかく、
そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と、
107:2主にあがなわれた者は言え。
主は彼らを悩みからあがない、
107:3もろもろの国から、
東、西、北、南から彼らを集められた。
107:4彼らは人なき荒野にさまよい、
住むべき町にいたる道を見いださなかった。
107:5彼らは飢え、またかわき、
その魂は彼らのうちに衰えた。
107:6彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、
主は彼らをその悩みから助け出し、
107:7住むべき町に行き着くまで、まっすぐな道に導かれた。
107:8どうか、彼らが主のいつくしみと、
人の子らになされたくすしきみわざとのために、
主に感謝するように。
107:9主はかわいた魂を満ち足らせ、
飢えた魂を良き物で満たされるからである。
107:10暗黒と深いやみの中にいる者、
苦しみと、くろがねに縛られた者、
107:11彼らは神の言葉にそむき、
いと高き者の勧めを軽んじたので、
107:12主は重い労働をもって彼らの心を低くされた。
彼らはつまずき倒れても、助ける者がなかった。
107:13彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、
主は彼らをその悩みから救い、
107:14暗黒と深いやみから彼らを導き出して、
そのかせをこわされた。
107:15どうか、彼らが主のいつくしみと、
人の子らになされたくすしきみわざとのために、
主に感謝するように。
107:16主は青銅のとびらをこわし、
鉄の貫の木を断ち切られたからである。
107:17ある者はその罪に汚れた行いによって病み、
その不義のゆえに悩んだ。
107:18彼らはすべての食物をきらって、
死の門に近づいた。
107:19彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、
主は彼らをその悩みから救い、
107:20そのみ言葉をつかわして、彼らをいやし、
彼らを滅びから助け出された。
107:21どうか、彼らが主のいつくしみと、
人の子らになされたくすしきみわざとのために、
主に感謝するように。
107:22彼らが感謝のいけにえをささげ、
喜びの歌をもって、そのみわざを言いあらわすように。
107:23舟で海にくだり、大海で商売をする者は、
107:24主のみわざを見、
また深い所でそのくすしきみわざを見た。
107:25主が命じられると暴風が起って、海の波をあげた。
107:26彼らは天にのぼり、淵にくだり、
悩みによってその勇気は溶け去り、
107:27酔った人のようによろめき、
よろめいて途方にくれる。
107:28彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、
主は彼らをその悩みから救い出された。
107:29主があらしを静められると、
海の波は穏やかになった。
107:30こうして彼らは波の静まったのを喜び、
主は彼らをその望む港へ導かれた。
107:31どうか、彼らが主のいつくしみと、
人の子らになされたくすしきみわざとのために、
主に感謝するように。
107:32彼らが民の集会で主をあがめ、
長老の会合で主をほめたたえるように。
107:33主は川を野に変らせ、
泉をかわいた地に変らせ、
107:34肥えた地をそれに住む者の悪のゆえに
塩地に変らせられる。
107:35主は野を池に変らせ、かわいた地を泉に変らせ、
107:36飢えた者をそこに住まわせられる。
こうして彼らはその住むべき町を建て、
107:37畑に種をまき、ぶどう畑を設けて
多くの収穫を得た。
107:38主が彼らを祝福されたので彼らは大いにふえ、
その家畜の減るのをゆるされなかった。
107:39彼らがしえたげと、悩みと、悲しみとによって
減り、かつ卑しめられたとき、
107:40主はもろもろの君に侮りをそそぎ、
道なき荒れ地にさまよわせられた。
107:41しかし主は貧しい者を悩みのうちからあげて、
その家族を羊の群れのようにされた。
107:42正しい者はこれを見て喜び、
もろもろの不義はその口を閉じた。
107:43すべて賢い者はこれらの事に心をよせ、
主のいつくしみをさとるようにせよ。

第108篇

108:1神よ、わが心は定まりました。
わが心は定まりました。
わたしは歌い、かつほめたたえます。
わが魂よ、さめよ。
108:2立琴よ、琴よ、さめよ。
わたしはしののめを呼びさまします。
108:3主よ、わたしはもろもろの民の中であなたに感謝し、
もろもろの国の中であなたをほめたたえます。
108:4あなたのいつくしみは大きく、天にまでおよび
あなたのまことは雲にまで及ぶ。
108:5神よ、みずからを天よりも高くし、
みさかえを全地の上にあげてください。
108:6あなたの愛される者が助けを得るために、
右のみ手をもって救をほどこし、
わたしに答えてください。
108:7神はその聖所で言われた、
「わたしは大いなる喜びをもってシケムを分かち、
スコテの谷を分かち与えよう。
108:8ギレアデはわたしのもの、
マナセもわたしのものである。
エフライムはわたしのかぶと、
ユダはわたしのつえである。
108:9モアブはわたしの足だらい、
エドムにはわたしのくつを投げる。
ペリシテについては、かちどきをあげる」。
108:10だれがわたしを堅固な町に至らせるであろうか。
だれがわたしをエドムに導くであろうか。
108:11神よ、あなたはわれらを捨てられたではありませんか。
神よ、あなたはわれらの軍勢と共に出て行かれません。
108:12われらに助けを与えて、あだにむかわせてください。
人の助けはむなしいからです。
108:13われらは神によって勇ましく働きます。
われらのあだを踏みにじる者は神だからです。

第109篇

109:1わたしのほめたたえる神よ、もださないでください。
109:2彼らは悪しき口と欺きの口をあけて、わたしにむかい、
偽りの舌をもってわたしに語り、
109:3恨みの言葉をもってわたしを囲み、
ゆえなくわたしを攻めるのです。
109:4彼らはわが愛にむくいて、わたしを非難します。
しかしわたしは彼らのために祈ります。
109:5彼らは悪をもってわが善に報い、
恨みをもってわが愛に報いるのです。
109:6彼の上に悪しき人を立て、
訴える者に彼を訴えさせてください。
109:7彼がさばかれるとき、彼を罪ある者とし、
その祈を罪に変えてください。
109:8その日を少なくし、
その財産をほかの人にとらせ、
109:9その子らをみなしごにし、
その妻をやもめにしてください。
109:10その子らを放浪者として施しをこわせ、
その荒れたすまいから追い出させてください。
109:11彼が持っているすべての物を債主に奪わせ、
その勤労の実をほかの人にかすめさせてください。
109:12彼にいつくしみを施す者はひとりもなく、
またそのみなしごをあわれむ者もなく、
109:13その子孫を絶えさせ、
その名を次の代に消し去ってください。
109:14その父たちの不義は主のみ前に覚えられ、
その母の罪を消し去らないでください。
109:15それらを常に主のみ前に置き、
彼の記憶を地から断ってください。
109:16これは彼がいつくしみを施すことを思わず、
かえって貧しい者、乏しい者を責め、
心の痛める者を殺そうとしたからです。
109:17彼はのろうことを好んだ。
のろいを彼に臨ませてください。
彼は恵むことを喜ばなかった。
恵みを彼から遠ざけてください。
109:18彼はのろいを衣のように着た。
のろいを水のようにその身にしみこませ、
油のようにその骨にしみこませてください。
109:19またそれを自分の着る着物のようにならせ、
常に締める帯のようにならせてください。
109:20これがわたしを非難する者と、
わたしに逆らって悪いことを言う者の
主からうける報いとしてください。
109:21しかし、わが主なる神よ、
あなたはみ名のために、わたしを顧みてください。
あなたのいつくしみの深きにより、
わたしをお助けください。
109:22わたしは貧しく、かつ乏しいのです。
わたしの心はわがうちに傷ついています。
109:23わたしは夕日の影のように去りゆき、
いなごのように追い払われます。
109:24わたしのひざは断食によってよろめき、
わたしの肉はやせ衰え、
109:25わたしは彼らにそしられる者となりました。
彼らはわたしを見ると、頭を振ります。
109:26わが神、主よ、わたしをお助けください。
あなたのいつくしみにしたがって、
わたしをお救いください。
109:27主よ、これがあなたのみ手のわざであること、
あなたがそれをなされたことを、
彼らに知らせてください。
109:28彼らはのろうけれども、あなたは祝福されます。
わたしを攻める者をはずかしめ、
あなたのしもべを喜ばせてください。
109:29わたしを非難する者にはずかしめを着せ、
おのが恥を上着のようにまとわせてください。
109:30わたしはわが口をもって大いに主に感謝し、
多くの人のなかで主をほめたたえます。
109:31主は貧しい者の右に立って、
死罪にさだめようとする者から
彼を救われるからです。


Ⅰコリント

第4章

4:1このようなわけだから、人はわたしたちを、キリストに仕える者、神の奥義を管理している者と見るがよい。4:2この場合、管理者に要求されているのは、忠実であることである。4:3わたしはあなたがたにさばかれたり、人間の裁判にかけられたりしても、なんら意に介しない。いや、わたしは自分をさばくこともしない。4:4わたしは自ら省みて、なんらやましいことはないが、それで義とされているわけではない。わたしをさばくかたは、主である。4:5だから、主がこられるまでは、何事についても、先走りをしてさばいてはいけない。主は暗い中に隠れていることを明るみに出し、心の中で企てられていることを、あらわにされるであろう。その時には、神からそれぞれほまれを受けるであろう。
4:6兄弟たちよ。これらのことをわたし自身とアポロとに当てはめて言って聞かせたが、それはあなたがたが、わたしたちを例にとって、「しるされている定めを越えない」ことを学び、ひとりの人をあがめ、ほかの人を見さげて高ぶることのないためである。4:7いったい、あなたを偉くしているのは、だれなのか。あなたの持っているもので、もらっていないものがあるか。もしもらっているなら、なぜもらっていないもののように誇るのか。
4:8あなたがたは、すでに満腹しているのだ。すでに富み栄えているのだ。わたしたちを差しおいて、王になっているのだ。ああ、王になっていてくれたらと思う。そうであったなら、わたしたちも、あなたがたと共に王になれたであろう。4:9わたしはこう考える。神はわたしたち使徒を死刑囚のように、最後に出場する者として引き出し、こうしてわたしたちは、全世界に、天使にも人々にも見せ物にされたのだ。4:10わたしたちはキリストのゆえに愚かな者となり、あなたがたはキリストにあって賢い者となっている。わたしたちは弱いが、あなたがたは強い。あなたがたは尊ばれ、わたしたちは卑しめられている。4:11今の今まで、わたしたちは飢え、かわき、裸にされ、打たれ、宿なしであり、4:12苦労して自分の手で働いている。はずかしめられては祝福し、迫害されては耐え忍び、4:13ののしられては優しい言葉をかけている。わたしたちは今に至るまで、この世のちりのように、人間のくずのようにされている。
4:14わたしがこのようなことを書くのは、あなたがたをはずかしめるためではなく、むしろ、わたしの愛児としてさとすためである。4:15たといあなたがたに、キリストにある養育掛が一万人あったとしても、父が多くあるのではない。キリスト・イエスにあって、福音によりあなたがたを生んだのは、わたしなのである。4:16そこで、あなたがたに勧める。わたしにならう者となりなさい。4:17このことのために、わたしは主にあって愛する忠実なわたしの子テモテを、あなたがたの所につかわした。彼は、キリスト・イエスにおけるわたしの生活のしかたを、わたしが至る所の教会で教えているとおりに、あなたがたに思い起させてくれるであろう。4:18しかしある人々は、わたしがあなたがたの所に来ることはあるまいとみて、高ぶっているということである。4:19しかし主のみこころであれば、わたしはすぐにでもあなたがたの所に行って、高ぶっている者たちの言葉ではなく、その力を見せてもらおう。4:20神の国は言葉ではなく、力である。4:21あなたがたは、どちらを望むのか。わたしがむちをもって、あなたがたの所に行くことか、それとも、愛と柔和な心とをもって行くことであるか。


Top